「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢りささん。
受賞後、しばらく作品が出ていませんでしたが、最近はコンスタンスに出版されてますね。
手のひらの京は、題名と表紙に魅かれて手に取りました。あたりでしたね。
個性的な三姉妹
主人公の三姉妹。それぞれが個性的です。おっとりとしておしとやかな長女。ズバズバ物を言い、行動力のある次女。マイペースで芯が強い三女。3人の視点で、それぞれの思いが語られていきます。
恋愛も性格と良く合ってます。そこが、もどかしくもあり、楽しく読めます。
そして舞台は、
閉鎖的な都
京都です。
土地の呪縛から離れられないのか、それともそれが心地よいのか。そうした心情が読み取れます。
そんな呪縛が嫌で、京都から離れようとする三女。当然周りからの反発もあり、どう立ち向かっていくのか。葛藤が描かれます。
離れたいと思う気持ちは自身に置き換えて考えてしまいましたね。現状から離れたいけど、ずっと続けているうちに慣れてきて、離れるのが、考えるのが、面倒になってきている。強い気持ちは大切ですね。
特徴的な土地柄で、それぞれ揺れ動く三姉妹。そんな心情に共感しながら、一気に読み終えました。
ページを閉じると、心が、なんだかあったかくなりました。そんな余韻に浸りながら、
表紙を見返すと
作品の雰囲気とすごくマッチしているのが分かります。
なんか、ほんわかしている表紙に魅かれて手に取ったのは正解でした。
京の都で三姉妹と出会ってみませんか?