小説には2つの読み方があると思います。
1つは、1歩引いた状態で俯瞰して作品を読み進めていく場合。ミステリーで、続きが気になりながら読むときはそんな状態です。
もう1つは、作品の中に入り込んで同じ世界観にどっぷりはまる場合。感情移入して、仮想現実を体験している状態です。
仮想現実を楽しみたいときにおススメなのが恩田陸作品!
恩田陸さんの素敵な小説を見ていきましょう。
チョコレートコスモス
演劇の物語です。
2人の若き天才女優が交わりながら話が進んでいきます。2人の演技に引き込まれ、観客として天才のすごさに感嘆しながら、どっぷりつかれる作品です。
天才の一方が、人を模倣する場面なんかは、もう実際に食い入るように見ている感覚でした。
目の前で繰り広げられる演劇に夢中になってみませんか?
蜜蜂と遠雷
直木賞受賞作品です。
ピアノコンクールをめぐる4人のピアニストの物語です。4人のピアニストだけでなく、周りで関わっている人たちも描かれています。その為、ピアニストになったり、審査員になったり、観客になったりと、もういろんな視点で見られて楽しいです。一緒にコンクールに参加している臨場感が味わえます。
演奏の場面では音楽が実際に聴こえてくるようであり、順位の発表では一緒になってドキドキして、そして結果が分かってほっとしたりと、どっぷりつかれる作品です。3人の天才ピアニストの演奏の場面では、自分もあたかも天才になった気分になれて気持ち良いです。
美しい音楽に触れたい方、先に紹介したチョコレートコスモスが気に入った方は、ハマる作品です。
夜のピクニック
高校の学校行事で、一晩中、ひたすら歩くだけの物語です。が、色々なドラマが見応えありです。
行事に参加する高校生の人間模様や、若い感情が懐かしく、その世界にすっと入れます。舞台は、夜、それに、学年最後の行事でもある為、何とも言えない高揚感が感じ取れます。今まで忘れていた大事なものを思い出した気分です。
読み終えた後に、あったかい気分になれます。
ネバーランド
男子校で寮生活をおくる4人の少年の物語です。
誰もいなくなった冬休みの寮。4人が濃厚な1週間を過ごします。それぞれが抱えている事情を語り合ったり、ふざけあったりしながら何とも言えない繋がりが生まれてきます。青春時代を味わいながら読み進められるのが何とも心地よいです。
過ぎ去りし思い出を懐かしんで、忘れていた感情や、その当時好きだったことを思い出すことができます。その感情は必ずや未来に役立つことでしょう。
まとめ
小説の世界に入り込んで楽しい時間を過ごすとスッキリします。いい作品にふれて、明日への活力に生かせるといいですね。