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すべては思い込み!「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)感想

前から気になっていて、読もうと思っていた本です。期待以上の内容でした。アメトーーク!の読書芸人の中でも紹介されてます。

冒頭、物理学、化学、生物学、歴史の説明から入ります。その説明の仕方が非常に小気味よく、わくわくさせられました。

上巻は、サピエンスが、力が強いネアンデルタール人や他の生物よりも、どのようにして優位になったかが語られています。物語として魅力的に書かれていますし、論理的な考察で組み立てられているので説得力があります。

その中のキーワードが「虚構」。共同主観的といった言葉でも表してました。お金といったものに、なぜ人は価値を見出せているのか。それは、人がみんな同じ考えを共通して持っているからです。同じ想像を多くの人ができることが、他の生物との大きな違いになって、優位性を保ってきました。

この辺りは、価値について自分自身で考えていたことと近いものがあり、非常に納得できました。世の中のほとんどのものは、価値がない。でも、そんなものに価値を見出せる人間は素晴らしい。そんなふうに結論付けていました。虚構という説明を聞いて、しっくりきました。

人権も虚構として説明があります。言われてみれば、そうですが、なかなか理解するのは難しいです。その中に、アメリカ独立宣言を生物学的に言い直すものがありましたが、なかなか衝撃的です。

下巻は、最近の急激な進化を促した「化学革命」について書かれてます。無知を認めることで、新たな発見が得られるようになりました。そして、化学や数学から新たな力を得てきました。

そのおかげで、最近の急速な技術の進化があります。サピエンスの歴史の中でこの変化が急だったため、生物としての進化の速度と合わないことになります。この辺りは、他の脳科学の本にも書かれています。社会の変化と人の進化のずれをどうするか。次の2冊は分かりやすく書かれてました。
脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I)

最後には、幸福について書かれてます。科学的にもだいぶ分かるようになってきています。それでも、まだ分からない部分があるのでそれが良いのではと思います。全て分かってしまうと虚しくなるような気がします。

幸福の説明の中で印象的だったのは、これからは、「何になりたいか」ではなく、「何を望みたいか」が必要といった言葉です。過去から植え付けられた固定概念は捨てて、想像、妄想して、先に進まないといけないです。

あとがきには、訳者の方の記載もあります。著者とやり取りをする中で、日本のエピソードも追加してもらったとあります。所々、日本に関連した文章があったのは、その為かと、後で分かりました。著者の心遣いがありがたいです。


サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福